もうこのままでは生きていけない

37歳。女。主人は20歳年上。東洋の占い勉強中。

ものごとの良き側面を見よう

って、よく言われるよね。

 

最近図書館と休みのリズムが合わず、実家に置きっぱなしになっている本を何冊か回収してきた。

10代からちょっとずつ買ってきた私のナイスなコレクションたち。

 

大学の時はお金が無かった。

仕送りも無いし、当時私の住んでいた県の学生バイトの相場はびっくりするほど安く、私の時給は720円だった。

学食は学生の味方みたいな語られ方がするけれど、当時の私には学食で500円のランチをするお金なんかなかった。

昼休み大急ぎで寮に帰って、食パンにマヨネーズをかけてチン。

食パンも2枚食べるとすぐ無くなってしまうから1枚半。

少しでも嵩を多く見せて自分を騙そうと、八枚切りを探しても関西は厚切り文化。

六枚切りさえなかなか無い始末。

 

夜バイト帰りにスーパーに寄る。

お刺身が食べたかった。

半額になっていてもお刺身は高い。

ため息をつきながら、関西の謎の食べ物、半額でしなしなになった紅しょうがの天ぷらを買うのが関の山だった。

 

真剣にお腹が空いていたある日、バイト先で大広間の宴会の片付けを一人でしていた。

片付け中は猛スピードで立ったりしゃがんだり。

頭が少しくらっとする。

大量の残飯。

その空間には私一人。

ぱっと掴んで思わず口に入れたおにぎり。

・・・これがいわゆるハングリー精神?

いいえ、それはただのハングリーです。

 

本は途切れずに買っていた。

貯金のなかった頃は古本を。次に文庫本。

バイトも慣れてきて貯金も出来るようになったらハードカバーを。

私のコレクションは私の労働によって形成された。

 

でも20代半ばまでは買った本を読み返すということはしなかった。

たまに手持ち無沙汰な時にぱらっと読んでみても、しっかりと記憶が残っているため、

ああはいはい、そうだったそうだった、と、確認して終わり、といった風情。

 

しかしそれがですね、もう最近はその本を所有していること自体忘れてますからね。

本棚を眺めて、

きゃ~、誰がこれ買ったの~?センスある~!

本気で。

そして中身も、まあ3から4割くらいは全く記憶していない。

ごっそりと新鮮。

ああ時の経過よ、鋭敏さを失った今の私よ、昔の私よありがとう。