もうこのままでは生きていけない

37歳。女。主人は20歳年上。東洋の占い勉強中。

赤毛のアン

筋金入りの執着質だ。

ここぞという時に執着するために、普段は余力を貯金している。

茫洋とした雰囲気を醸すよう心掛けている。

そして今だ!という時にパクっとね。

我、食虫植物の一種なり。

仏教を学んだ方がいいと思う。

 

小学校の中学年ごろ、市立図書館で借りた赤毛のアンに夢中になった。

市立図書館のガラス張りの大きな窓。

射し込む夕暮れの光は低く、陽に焼けた絨毯の表面は毛羽立っていた。

なんとなく手を伸ばしたハードカバーのずっしりとした手応え。

山本容子の銅版画の挿絵。

こんなに赤毛のアンとの出会いは鮮明なのに、彼氏との出会いは全く記憶に無いのよ。

 

さておき、赤毛のアンはご承知のとおりシリーズもの。

赤毛のアン、アンの青春、アンの愛情、アンの幸福、アンの夢の家、炉辺荘のアン、虹の谷のアン、アンの娘リラ、そして短編集。

順番に2冊ずつ毎週借りて、全12巻を、何度リピートしたことか。

架空の友達も作ったし、身の回りの色んな物に名前もつけた。

少女時代から思春期を通じて、私のバイブルだった。

そして夢見がちなまま大人になっていき、ケチ生活苦節20年、しぶとく貯めたお金を一斉に使い、26歳の時にはプリンスエドワード島にも行った。

 

そこである種の達成をみたのか、ぱったり読まなくなった赤毛のアン

本日よりなにげに読み返し始めたところ、

まだグリーンゲイブルズに引き取られてもいないのに、

こみあげる感情にプリーズハブアブレイク、キットカットはいらないんだけど、

ストップストップ、感傷のストップ高でございます。

口調が講談調になってしまうのでございます。

 

まずアンが孤児だということに昔はまったく思いが至ってなかった。

冒頭から喋りまくるキャラの強さしか感じていなかった。

それが現在読み返せば、アンが孤児だという事実の重み。

アンを引き取ろうというマリラの決断に至る思考の流れに、開始70ページで早くもストップ高なのでございますよ。

無駄に30代になったわけじゃないんだわ。

マシュウに対して「男っていうのは…」と嘆くマリラの呟きも、

昔はふーん、とスルーでしたが、

そういう感じですよね~。お察しお察し!

お察しポイント制なら、開始80ページにして台紙がいっぱいなのですよ。

次回は300円オフなのです。

 

こんなにも解像度が上がって楽しめるなんて。

やっと私も時代はデジタルなのよ。

今までの嬉しかったこと悲しかったこと、諸々の経験よありがとう。

 

もう一つの気づきとしては、

お喋り、空想、ロマンチック、料理、家事。

これらの要素を、人生の素敵なこととして自分にインストールしていた事に

気づいてうすら寒くなった。

それらを達成するために、

家庭を築こうと追い込み漁をかけている真っ最中でしたので。

怖えぇ~。

アンになりたかったんや~。

危ね~。

ごめんねギルバート。