もうこのままでは生きていけない

35歳。女。会社員。一人暮らし。

モスクワのちアズカバン

涼しくなってきましたわねぇ。

外がちょうど良い気候になりますとね、
職場のクーラーが効きすぎるんですよね。
温度を上げたらって?
古いショッピングセンターの空調にね、
温度の設定なんか無いのよ。
オンかオフなのよ。

真夏はね、外が暑すぎるから、あんまり冷えへんから、逆に寒すぎなくてちょうどええんやけどね。
真夏は室外機にホースで水ぶっかけてるからね。

今ぐらいの気候になるとね、
もうキンキンで、寒くっていられないのよ。
普通に長袖で出勤するやん?
どんどん寒くなってくるやん?
カーディガン着るやん?
まだ寒いやん?
もう一枚、超分厚いカーディガン着るやん?
まだ寒いやん?
ロッカーに隠し持っている、タートルネックのセーター着たんやで今日は。
タートルネックの?セーター?
わたしの爽やかな秋はどこへ行ったの?

たまらず休憩時間に外へ出た時の、
ほっとした気持ちよ。
寒いだけじゃなくて、音がむっちゃでかいのよ。
ゴーーーーーっつってんの。
地下鉄か?ってくらいうるさいの。
ほんで寒いの。
モスクワか?

車で休憩したら、それはそれはもうほっとしてさ、
ええ天気やん?
空気爽やかやん?
車の窓から見た空が広くてさ、
ああ世界って美しいな、なんつって、
そんなあほな、私の車は軽やし、
軽の中でもバリ小さいんやから。
こんな小っちゃい窓から見た?
世界が?広くて美しいってか?
囚人か!

うめきながら15分休憩は飛ぶように過ぎていく。

墓に行ったほうがいいのかな

夢の中で、
おばあちゃんはちょっとボケていて、
近所の人にとんちんかんな話をして、
ちょっと迷惑そうにされていた。
たまたま通りかかった私は、
おばあちゃん、行くよ、と声をかけた。
そしたら隣にお父さんがいた。

あれ、どうしたの。
おお、久しぶりやな。

話しながら家の方へ帰っていく。
お父さんは体型もあまり変わっていなかった。
そんなに老け込んでもいなくて安心した。

なあんや、帰ってきとるんやったら、
ご飯でも行けばよかったなあ、
とお父さんが言う。
うーん、でも今はご飯あかんもん、同居家族じゃないから。
そうか。俺はどうなってもええんやけどな。
あかんよ。肺が繊維化して、苦しいまま生きとらなあかんだらどうするの?

そうそう!だってさ、もしそうなったらさ…
後ろから妹が会話に参加する。
妹も今日は嬉しそうだ。
今日帰ってきたら突然お父さんおったでさ、びっくりした。とニコニコしながら妹が言う。
おう、俺もびっくりしたけど、お父さんやに、って言ってしまったわ、子どもに言うみたいに、
とお父さんが言う。
だって私ら子どもやもん?なあ?

お母さんはどこに行ったのかな?
まだ仕事かな?

近所の小さい方の公園の、裏の坂道で、
もう日がほとんど暮れて薄暗い中、
お母さんがキョロキョロしながら歩いている。

あっ。おったおった。お母さーん。
あーっ。皆おったん?
なんとなく、こっち来たらお母さんおるような気がした。
お母さんもそんな気がしたんさ。

お母さんは嬉しそうに私の手をとる。

もうお母さん今日はまた失敗してさ…

いつものように仕事で失敗した話をする。
なんや、お前アホやな、とお父さんが茶化す。
アホってなんなん、とお母さんが言い返す。
そうやに、ひどいよ、と妹が言う。
二人とも嬉しそうだ。

お父さん、今はどこに住んどるの?
たまにはこうやって帰ってきたら?

そう言おうと思ったら、
夢の中で目が覚めた。

ああ、夢でも嬉しかった。
夢でもお父さんに会えたからよかった。
本当はもっと生きてるお父さんに会いたかった。
泣きたかったけど、お母さんと妹に聞こえるといけないから、私は泣くのを我慢した。

そしたら本当に目が覚めて、
お父さんはとっくの昔に蒸発して死んだままだし、
わたしは一人暮らしの狭いベッドに寝ていたので、
遠慮なく大泣きした。

毎瞬爆発して生きていきたい

今週のお題「爆発」

引き続きデートは自粛しておりますので、
そして実家の用事も、自粛を言い訳にやっていないので、
休みがそれはそれは自由で、完全に1人を満喫しておる次第でございます。
後ろめたさが口調を堅くしてしまうのでございます。

後ろめたさはともかく、完全に1人の時間が多いことで、わたしの精神はバッサバッサと羽ばたいております。
まずYouTubeをテレビで見れるようにしたもので、
本日のお休みは、もうコンサートを見まくり。
朝比奈×N響ブルックナー→カルロスクライバーニューイヤーコンサートカラヤンニューイヤーコンサート
そして15時からサイトウキネンオーケストラ×デュトワの配信!
デュトワ!なつかしー!!

余りに真剣に見たので頭が痛くなって、
ゴロゴロと横になる。
やや回復して読みかけの本を読んで、
放送大学の授業1コマ見る。

見渡せば、決して広くない一人暮らしの部屋に、
わたしの愛する本、CD、DVD、教科書、テレビからはクラシックの名演。

これよ!
これが私の憧れた高等遊民の部屋なのよ!

ていうかなんか腹減ったなあ。
あや?今日はご飯食べてなくね?

遊民はスーパーへ買い出しに。
食材もろもろ、好きなパンは6個まとめ買い。
帰ってきて、マジの気まぐれサラダを作る。
りんごを入れたくて、適当な切り方をしていたら、
普段デザートに食べる時も、これで良いのでは?
と気がついた。
何切りなんだろう?
玉ねぎのスライスをするみたいな切り方。
なあんだ、これなら楽だわ~。
お弁当にも入れられそうだ。
でも子どもは嫌かな?

「なあ、りんごさ、普通に切ってよ」
「え?」
「だからさ、普通の切り方してよ」
「なに?恥ずかしいの?」
「俺だけ変やんか」
「あのさ、皆と一緒がいいって意味?皆と違うと、いちいちいじられて面倒くさいってこと?それなら話は分からんでもないけど、普通にしてって何?わたしはわたしの普通にしとるだけなんやけど?学校という狭いコミュニティでは、ちょっと違うことが大問題になって、生活しづらくなってしまうので、合わせるために切り方を変えてくれ、っていうんなら話も聞くけども、自分の恥ずかしさとか、不愉快さを、普通にしてよという強い言葉でわたしにぶつけないでくれない?」

まだ見ぬ我が子よ、理屈っぽい母ですまないな。

文句多いくせにまだ死にたくはない

サバイブのために、本日一回目の接種でございました。

午後イチまでは仕事。
急いで一旦家に帰ってきて、遅いお昼をかき込み、
ノースリーブに着替え、予診表を準備。
さあ、いざいざ、と車へ乗り込む時、
窓ガラスに映った自分の顔の、なんとくっきりしていること。
嫌ね、あんたイキイキしちゃって。
ほんと、普段と違うことが好きなのね。

集団接種会場へ。
次々と現れる案内役の方。
おお。なんと大勢の労働力。
また皆一生懸命職務に当たっていらっしゃって。
流されるがままに、ハイ、ありがとうございます、わかりました、ありがとうございます、
と言っていたら終わりました。

経過観察30分待機中、これが…無料で…としみじみ。
まあ給料の3分の1税金なんやから当たり前か?
いやいや、そうはいってもね、自然と浮かんでくるのは、ありがたいなあ、の六文字ですよ。
岩屋寺よ(©️どうでしょう)。

こんなに何人もの人に親切にしてもらってさあ、
世話してもらってさあ、
ありがたいよ。
思えばさ、仕事の時ってさ、親切にするのが私の仕事だからさ、人から親切にされたことないよね!
文句か、不満か、苦情か、自慢か、マウントか、そんなんばっかりやもんね!
親切にされるっていいなあ。
ありがたいなあ。

うん?こうして人は宗教団体に入ってしまうのではないか?

放送大学のテキストが届いた。教科書の匂いがする。何年ぶりの教科書の匂いだろう?
永井荷風全集からは昭和の文学の匂いがする。
インクが違うのか?年数の問題?
ブルックナーは朝比奈だと言う人の気持ちがわかりました

違う話をしよう

ねえ?
毎日毎日さ、この情報は本当かな?とか、
どうするのが一番いいんだろう?とかさ。

分からへんわさ、そんなこと。
医学もなんにも修めてへん人間がさ?
文学部やったんやからさ。
基礎知識すら無いのにさ、
専門家が分からんこと私に分かるはずないやんな。

分からんなりに、最善を尽くさなあかんのが、
何が最善かを考えやなあかんのが、
疲れるんさな。
考えても分からへんのやから。
分からへんけど、とりあえず毎日生きてはいるからな。
生きてる以上なんらかの活動を選択するからな。
自己が引き裂かれてちりめんじゃこよ。

ほんでまたな、
私がこの広大なグレーゾーンにさ迷っておるのにな、皆が意見言うてくるからな。
意見あるんは分かるけど、
その意見が絶対正しいみたいに言うけどさ、
そんなに真剣に検証してへんやろ?
そう思いたいだけやろ?
まああんたはそれでええけど、
私は私やから放っといてちょうだいよ。
私は今、年単位の広大なグレーゾーンを探索中なんやから。
な?
あんたはそれでええって言っとんのやから。
な?
私はこれでええわけ。

本当のことは分からん。
最低限わたしに本当のことは、わたしが感じていることだけ。
それを手放したら、世界はちりめんじゃこよ。

・最近永井荷風を読んでいる。
女給やもぐりの芸者など、その日暮らしの女たちの生活と、今の自分がリンクする。
当面の生活を維持するために働くこと。
人生に対する大きな疑問を封じて生活していること。
馴染みの男に対して盲目であること。
全てがずるずると過ぎていくこと。

とにかく話が長い

今週のお題「やり込んだゲーム」


それは大学生のころ、
若さのエネルギーを持て余し、
発露の仕方を完全に間違えて、
明け方から2時間歩き続けた末、唐突に我に返ったわたし。

眠い。お腹が空いた。
カロリー爆発のコンビニ弁当でも一気に食べて、
すぐにベッドに横になりたい。
しかし、帰るにはまた2時間歩かねばならない。

自分に振り回され、うんざりしながら、
ともかくも部屋を目指して戻っていく。
最短距離で帰ればいいものを、
ショックと眠気で頭がぼんやりしているので、
わざわざ行きと違う道を通ってしまう。

あれ?こっちを曲がるんだったかな?
あれ?思ったところと違うところに出たな?

そんな事を繰り返している内に、
道はどんどん細くなり、少しずつ下っていく。
小さなコンクリートのトンネルが現れて、
トンネルの天井がどんどん低くなり、
わあ、頭がついてしまう、
腰を屈めてひょこひょこと、
やっと通り抜けると、
そこは広い広い一面の芝生。
朝露でびっしょりの一面の芝生。
50mほど先には、突然現れた場違いな人間に、びっくり顔の鹿の群れ。
鹿も私も戸惑いを隠せない。

突然ごめんね、そそくさとその場を立ち去りたいが、朝露がびしょびしょだし、土もぬかるんでるし、どっち方向へ立ち去っていいかも分からないし、もう。

それからどうしたやら、とにかく必死で帰ってきたのはもう10時前。
もちろん速攻寝ましたが、そんなに歩いても爽快さは皆無でしたわね。

私この話何回したら気が済むのかしらね。
しつこいからなあ。

そんな時代にね、やっとゲームの話ですけど、
無料の、PCゲームで、音ゲーですね。
タイミングよくキーボードを押すと、
棒人間がギターを演奏する。
それだけの、めちゃくちゃ単純な音ゲーがありまして。
なんかアメリカのサイトみたいで。
その日のランキングがね、表示されてるんだけど、
一日だけ全米8位になりました。
全米なのか分からんけど、ゴロがいいから、
全米8位になったの!
って言って回ってたわ。
全員ひいてたなあ。

私の大学生時代の友人は皆まともです。

ゲームの話までたどりついてない

今週のお題「やり込んだゲーム」

最近はめっきりね、生きる屍タイムが長くなっているわたくしですけども、20代の初めごろは、
つまり大学生の時は、それはそれはエネルギーがあったわけ。

学生寮の狭い狭い部屋で、一晩中まんじりともせず、何を考えとったか忘れたけど、どうせロクなことじゃないけどね、なんせ悩んでたね。

悩んで悩んで明け方4時とかになって、これはもうあかん、今にも気が狂いそうや。
あかんあかん、盗んだバイクないのかな?
走り出さないと気が狂いそう。
ていうかすでに盗んだバイクは無いのか。
まず盗まないと。
盗みはしなくていいわ、走り出したいだけやから。
ということで、わらわらと寮を出て。
ああ本当は自転車があったらよかったけど、
自転車は2年前にパンクしたまま。
自転車屋のおっちゃんが感じ悪いから、直すの頼むの嫌で、直してないんやわ。
もう歩くしかない。歩くしかない。

ということで、古の都の古式ゆかしい町の中を、ずんずん歩いて、色んな寺を通りすぎ、住宅街に入り、突き当たりにぽっかりと森への入り口。
すでに時刻は朝の7時前。
完全にウォーカーズハイ。
入り口手前のお家から大音量で流れているのは、
おそらくベートーベン。
フラフラと森の方へ吸い込まれてしまう。
一歩踏み入れると、すうっと空気が冷えるのが分かる。
徹夜とハイでぼんやりとした頭のまま、奥へ奥へと入っていってしまう。
しばらくすると、ぶうんっという音とともに、虫が一匹、わたしの周りを回り出す。
地球をまわる月のように。
歩みを進めると、ぶうんっ、二匹目。
そのまま進んでいくと、ぶうんっ、三匹目。
このままでは、木星化してしまうのでは?

ていうか、森、一人、あぶない?

ゆるいカーブを抜けると、大きな倒木。
倒木の苔に降り注ぐ朝日。
空気中の何かに光がキラキラ当たっている。

あれ、ここは、人間が入っていいところなのかな?

そう思った瞬間、ぶんぶんぶんぶんぶんぶん、
一気に虫が10匹ほどになり、今までの倍のスピードで私を追い回す。
ごめんなさいごめんなさい、走って引き返すと、出口に近づくにつれて、虫は一匹、二匹とどんどん去っていく。
森を出て、住宅街のアスファルトを、とん、と踏んだ瞬間、最後の一匹が、ぶううんっと去っていった。

ああ、生きて帰ってきた。
我に返ると、まだ大音量で流れ続けているベートーベン。ほとんど曲は進んでないみたい。
なんだったんだろう。

日はすっかり高くなっている。
家は遠い。
そして君は徒歩だ。
どうするつもりなのかな?