もうこのままでは生きていけない

37歳。女。主人は20歳年上。東洋の占い勉強中。

一緒に引っ越ししようね

今週のお題「雨の日の過ごし方」

 

雨ってね、昔はただの天気でしたよね。

水が降ってて、不便、というそれだけのことでしたよ。

それがあんた、今や頭は痛いわ、身体はえらいわ。

えらいっていうのは方言やけど、

しんどいっていうか、辛いっていうか、かいだるいんやわな。

 

いつの間にか、だるさが雨に含まれるようになって、

なんなら雨の前の日から半分雨。

よし今回の雨こそ無事に乗り切るぞ、と

お風呂でしっかり温まって、気持ちビタミン多めの食事にし、

普段に増して睡眠に意欲的に取り組み、

ほんで次の日の朝、はいばっちりと体調不良。

なんじゃい。

 

起きるのはいつでも大変やけど、

雨で、かいだるい日に起きるのは、それはそれは一大事業。

だって布団の中が一番安全やん?

あったかいし、体が楽やん?

誰も嫌なこと言ってこーへんやん?

ここにおるのが一番安全やん?

今日起きへんでも別にすぐ飢え死にせーへんやん?

 

そして寝癖を直す時間がなくなる。

 

この梅雨の雨は湿気がすごくて、

鉄筋コンクリートの中にいるのに、体がじっとりと濡れているみたいに感じる。

ああやれやれと家に帰ってきて、ドアを開けて、じっとり。

 

私の一人暮らしの部屋は、今まではいつでも避難所だった。

仕事から帰ってきても、実家から帰ってきても、友達と会って帰ってきても、

この家に入ったら、

ああ、やれやれ。これで安心だ。

といつも思ったものだったけど。

彼の部屋へ遊びに行くようになってからは、

彼の家から、自分の家へ帰ってくるという経験をするようになってからは、

ドアを開けて、電気をつけて、

ああ、私はこんな部屋にいたんだったかな。

ぬいぐるみの羊のメイプルも居心地のよくなさそうな顔。

 

この羊のメイプルは、さみしさに耐えかねた4年前くらいの私が、

さみしさに耐えかねて30代の女がぬいぐるみを買うという痛さにも耐えかねて、

考えた結果、彼に頼んで買ってもらうという結局一番痛いコースをたどって我が家に迎えたぬいぐるみだ。

メイプルはいつでもアルカイックスマイルなので、

私がなんともいえない気持ちでメイプルを見ると、

「うそだね」「ぼくもそう思うな」「どうだかね」

などナイス相槌が自然と私の脳裏にひらめく。

 

そうして私とメイプルは寄り添って暮らしてきたんやけど、

なあ、メイプル、ここはこんなにさみしいところやったかな?

このじっとり浸み込んでくるのは、ただの湿気なんかな?

「またすぐに慣れるよ」