もうこのままでは生きていけない

37歳。女。主人は20歳年上。東洋の占い勉強中。

サフレ

お察しの通りでござんす。

私には友達がいない。

 

日常的に、何の気なしに連絡を取れる友人はまったくいない。

 

これはもう私の不徳の致すところ。

まずそういう人間関係を築こうという努力をしていない。

始めようとも続けようともしていない。

ほんとに不徳だな。

まったく当たり前の結果が今現在のわたくしです。

 

でもおかげさまで、大人になって以来、

それによる不便を感じたことは全然無い。

さみしくもなんともない。

たまにちょっと自分の在り方への疑念がよぎるだけ。

 

しかしサウナに行き始めて、初めて友達が欲しくなった。

私はサウナ友達が欲しい。

サフレか?

サフレだ。サフレが欲しい。

サウナだけの関係。裸だけの付き合い。

 

思うに、私は一人遊びが上手い。

音楽を聴くのも、本を読むのも、散歩をするのも。

映画やコンサートへたまに行くのも、一人の方がいい。

だって、一緒に行った人が物音うるさい族だったり、

てんで見当外れの感想言いやがったらどうしよう?

なるべく他人を嫌いになりたくない。

心の狭さに自信があるから。

 

サウナもその一つだと思っていた。

いつもの一人遊びだと。

でもですね、普段ごちゃごちゃと脳内大賑わいの私も、

さすがに90℃ほどの熱っつい部屋に座していますと、

次第に頭がぼーっとしてきます。

ほんでぼーっとし尽くした所で水風呂へインするでしょ?

毒気が抜けるでしょ?

もう一回熱い部屋に入るでしょ。

 

なんか、ぽかーんとしてしまう。

間が持たなくて。

多分だけど、毒気と一緒にうるさい人格が抜けるんだと思う。

そして2セット目の私は、ぽつんと一人ぼっち。

1セット目から一人なんやけど。

2セット目からのぽつんとした私の哀れなこと。

何とはなしに心細くて。

 

そうか、うるさい人格は、わたしを守ってくれていたのだな。

なんでも先回り先回りして、わたしに様々な事を訴えかける彼女。

わたしの疑問に高速で返答する彼女。

他人さんに変な事を言う前に、会話の防波堤となってくれる彼女。

彼女が水風呂の冷たさに流れて去った後は、保護者不在のか弱きわたし。

誘拐するなら今。

邪気の抜けた私は、保護者兼話相手を失ってぽんやりと座っている。

 

ねえ、今日はよく寝たね。

明日はいつもの時間に起きれるかな。

 

だれか、わたしとしゃべってほしい。

私を半分失くしたわたしとしゃべってほしい。

サウナ室でのわたしはそんなに悪い子じゃないから。