もうこのままでは生きていけない

37歳。女。主人は20歳年上。東洋の占い勉強中。

ステイタスチェンジ

やりました。
結婚しました。
初めての経験です。

結婚して1ヶ月の間に、
・生理が急に2週間周期になった
・耳が片方聞こえにくくなった
・やせた
ステイタスチェンジはステータス異常ってか?
私の体よ、既婚に慣れてくれ。

気持ちはね、うれしいんですよ。
家に頼れる大人がいるっていうのは、なんて安心するのものなの?
自分以外に頼れる人間がいるなんて、えーと、30年ぶりじゃないの。
世間のこういう環境の人は、こんなに安心して暮らしているの?
すっかり子ども返りしているわたくしです。
その結果、体がびっくりしていると。

まあ単純に忙しいよね?
なんか手続き手続き手続きで。
仕事の資格試験もあったし。
倍に増えた親戚との外交もしなくちゃいけないし。


長くなった通勤時間、30分の運転中に、
何も考えるとはなしに、なんか体の周りが、エーテル体ですかね?オーラですかね?がフワフワして、
2割くらいで以前の自分を思い出すような、新しい生活のモードに染まっているような、自分が行ったりきたりしている感じがいたします。

右側は水を張ったばかりの田んぼ。
左側はしっかり実った麦畑。
県境に長く延びる鈴鹿山脈から、風が吹き降りてきて、一面の麦を揺らす。

麦の穂の揺れかたって、ただ左右にゆらゆらするだけじゃないんやね。
回っているような、揺れているような、複雑な動きかた。
それが何千本と干渉しあって、麦畑全体のうねりになる。
交互に動いているでもなく、不規則なような、
いや、きっと何か物理的な規則があるんだと思う。
nとかが出てくる公式であらわすんだと思う。

わたしは何も知らない。
麦がこんなふうに揺れることも、
それが美しい公式になるかどうかも。
何も知らないまま、小さい世界の小さな職場で、
昨日と同じように仕事をしにいく。

夕方急いで退勤して、また30分運転する。

夕闇に田んぼの水面が少し光っている。
田んぼに水が張られると、地平が少し広くなったみたいに感じる。
私の魂もそこの上で遊んでいいみたいに。
ドックランみたいに、目の届く範囲で少しだけ遊びにいく、私のかわいい魂。

一人だけの部屋で、
ブランケットにぐるぐる巻きになって、
電気ストーブの前でじっと座って、
長い毎日をやり過ごしていた私は、
もう存在していないの?

あのかわいそうな子が、もういないなんて実感できない。
まだあの小さい部屋で色々考えたり、深酒したり、ゴロゴロしてスマホ見たりしてないの?
夜中に不意打ちであの部屋の前に行けば、平行世界のわたしが、悩んで煮詰まってボサボサの髪でブカブカのパジャマで、ゴミ出ししに出てきたりしてないのかな。