欲しいもの
「欲しいものが意外と無いんだ・・・」とお金大好きな友人が言った。
何やらいつも訳の分からん新しいことにチャレンジしているお方なので、
また何かサムシングニューな試みの一環として、
欲しいものツリーを書いたところ全く出てこなかったらしい。
なんとかひねり出したものを見せて頂くと、
「車」「家」「猫」と見事なまでの独創性ゼロぶり。
昭和の幸せか?
それならどうしてそんなにお金が欲しいんだと聞くと、
「なんなんだろう…」と自分に疑問を感じた様子。
彼と私にはほとんど共通点が無いのだが、
お互いに理解できないサムシングニューに常に手を出しているというのが共通点。
彼は謎の投資。私は短歌。
「なにそれ?」「なにそれ?」
だいたい彼は現実面に強く、私は思考面に強い、という役割分担になっている。
その自己の在り方が揺らいだらしく、私に欲しいものがあるか尋ねてみたかったらしい。
私は日本酒をコップに二杯飲んだ愉快な頭で即答した。
「あるよあるよ~。まずね、国」
国。そうなのよ国が欲しいのよ。
バキバキの独裁政権の国が欲しいのよ。
正当な王族の血をひきたいの。
国民総合文化祭を10月にやりたいの。
国を四つの地域に分けて競わせたい。
高いバルコニーから広場を見下ろして採点したい。
今年は北の村が優勝じゃ、年貢を半分に免じてやろう!
全ての出し物が終わったら、皆にねぎらいとして餅をまく。
皆の者、息災で暮らせよ!
多分すゑひろがりずと皇室プレイの影響だと思う。